ミシュラン三つ星レストラン ★★★ レストランカンテサンス
先日白金台にありますフレンチレストラン カンテサンスのランチへ行って来ました
レストランカンテサンスは 『ミシュランガイド東京・横浜・鎌倉』 2008で、行き成り三ツ星デビュー ・・・ 以来、2009、2010、2011、2012と五年連続で三ツ星獲得
都内フレンチレストランで、五年連続三ツ星獲得は、あのロブションとカンテサンスだけ
レストランカンテサンスのお料理は ・・・
1.プロデュイ (素材) を尊重する
単に高級な素材を仕入れるだけではなく、それを最高の状態でお客様に提供できるシステムを構築すること
2.キュイソン (火の入れ方) を追求する
レストランカンテサンスの大きなポイントが、シェフ岸田がパリで修業したミシュラン三ツ星レストラン “アストランス” で身につけた独特のキュイソンです
低温長時間ローストで引き出す方法をはじめ、最上質の肉に備わった繊細な風味を味わう素材に応じた火入れ
3.アセゾネ (味付け) を配慮する
最高の素材が本来備えている繊細な風味を最大に引き出すための味付け
・・・ をコンセプトとし、新しい形の “キュイジーヌ ・ コンテンポレーヌ (現代的な料理)” を提供してくれるお店です
そして私のわがままミシュラン ~フレンチレストラン~ でも、第9位に入っている大好きなお店です
ただカンテサンスは今、世界で最も予約の取れないレストランの一つでもあります
毎日世界中から、何百件という予約電話が殺到
“100回電話を掛けて1回繋がればいい方”とまで言われています
しかし私の友人は100回掛けても繋がらなかったと激怒
それならば ・・・ と私も半分物見遊山感覚で電話を掛けてみましたが、やはり繋がらない ・・・
結局30回目位でようやく繋がりました ・・・ 100回に比較すればかなりラッキーなのですが ・・・
今回レストランカンテサンスは、3年振り 3度目の 訪問となりますが、過去2回は何れも、1回で電話が繋がっています
やはりミシュラン三つ星の輝きが増せば増す程 、世界中でカンテサンス人気はウナギ登り ってことなんですね ~~~
今や留まるところを知らないレストランカンテサンス人気
それではミシュラン三つ星 レストランカンテサンスのランチをご紹介させていただきたいと思います
レストランカンテサンス
白金のプラチナ通り中程に、レストランカンテサンスはあります
今回私のテーブルを担当してくださったのはソムリエのIさん
ただ ・・・ 私が席に着くなり ・・・ “フロリレージュの近藤君がよろしくと言っていました” と言われ ・・・
エッ どうして初対面の知らない方に、私の顔と名前と、しかもフロリレージュのファンという事までが伝わっているの
フロリレージュの近藤さんへは、カンテサンスへ行くということは言っていないのに ・・・ 不思議
行き成りちょっと不可解な気分となってしまいましたが ・・・ でも30回目の電話ででようやく取れた切符です
気分を切り替え、存分にメニューを楽しみたいと思います
メニュー
メニューはいつも白紙のプレート ・・・ 最高のモノを提供したいというシェフの気合がひヒシヒシと伝わってきます
いただく側も、まっ更な気持ちでお料理に向かいましょう
ただレストランカンテサンスは、個室以外では写真撮影禁止
今回は、度々個室へ通っているお料理教室のクラスメイトから、私と重なったものだけ、画像をいただきました
プレゼンテーションプレート
プレートは、 Quintessence の名が刻まれた御影石
カトラリーは、スペインの cutipol ・・・ 岸田シェフが、お料理を一番美味しくいただけるのはどれか、世界中のカトラリーを試し、最後に残ったものがこの cutipol だったそうです
cutipol はホント、大きさと言い重さと言い、カトラリーを気にせず、お料理に集中出来ます
時にはカトラリーの方がご立派過ぎ、お料理の印象が霞んでしまうこともありますよね ~~
でもやはり主役はお料理 ・・・ 食器やカトラリーは悪魔でも脇役です
お飲み物
Sant Aniol
こちらはスペイン産の水です
硬度200度のギリギリ硬水ですが、マグネシウムなどのミネラルを多く含むため、胃酸の分泌を促進してくれ 、脂肪分の多い西洋料理には、大変効果的な水だそうです ・・・ 何だか臨床生理学の講義を受けているようです
アミューズ ブーシュ
ガルビュール ジャポネーズ
こちらは具沢山の温かいスープです
地鶏 、ホロホロ鶏、イタリア産 豚の頬肉などの 出汁の中に何十種類もの野菜を入れ、色が出ないように何時間も煮込んだものです
ソムリエのIさん、 “シェフには言えませんが、この中にラーメンを入れて食べたいです ” ・・・ 確かに、とても食欲そそる香りです
オードブル一品目
塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ
こちらはカンテサンスオープン以来、変わらぬスペシャリテ
毎朝京都から届く京都 鴨川産の山羊乳のバヴァロワです
山羊乳のバヴァロワを、フランス ゲランド産の塩で混ぜ 、ブルターニュ産のオリーブオイルを掛け 、その上に百合根とマカダミアナッツをトッピングしたものです
世の中にこれ程クリーミーなバヴァロワがあるのかしら ・・・ と思う程、乳脂肪分と酸味の程良い甘さと、ゲランド産の塩とが最高のバランスで混ざり合った逸品です
何ともフレッシュですっきりした後味 ・・・
また百合根とマカダミアナッツの異なる食感が丁度良いアクセントになっています
オードブル二品目
ポロ葱とエビのタルタル
こちらは北海道産のポロ葱をワインビネガーで和えてデジョインマスタードで味付けし、その上に北海道産のボタンエビと伊勢産の桜エビを乗せたものです
ポロ葱口の繊維質な食感と、エビのプリプリ食感のコントラストが楽しく 、更には海老のい ~ い香りが口の中にフワ ~~~~ ッと広がります
やはりソムリエのIさん、 “このえびせんのような香りを嗅ぐと 、日本酒で一杯やりたくなります ” ・・・ 確かに、おっしゃる通り
パンとバター
パンは、 メゾンカイザー トゥルトゥ ・・・ どんなお料理とも合います
バターは、 シャラントゥポワトー (ゲランドから南へ下がった所にあります ) ・・・ 鮮度を保つために週に2度 、空輸しているそうです
古くなったバターはスタッフのまかないになるとか ・・・
ポワソン
キンキ 野蒜、行者大蒜、芹、根三葉のソース
I am sorry, there is no photograph.
こちらは北海道産のキンキを、皮ごとカリカリに焼き、愛知県産のキャンディーキャベツのバターソテーを付け合わせたものです
カリカリの皮が美味しい ~~~~ 堪らない ~~~
キャンディーキャベツはキャンディーと言うだけあって、ほんのり甘 ~ い
ここでシェフからお腹具合のお伺いがありましたが、私はまだまだOKと回答しました
これは次のメインで出すお肉のポーションを決めるためです
ヴィヤンド
野生蝦夷鹿の3時間ロースト
I am sorry, there is no photograph.
こちらは北海道産の蝦夷鹿の鞍下部分を、220℃のオーブンへ1分入れて4 ~ 5分出し、1分入れて4 ~ 5分出す作業を約30回繰り返し、最後は周りの焦げ部分を剥がして中だけを残したものです
分厚い鹿肉の繊維と弾力をそのままに充分な噛み応えを残しながら 、鹿肉全体はとっても柔らかい ・・・ このキュイソンこそが、ミシュタン三つ星シェフたる由縁です
ソースは蝦夷鹿の血とブルターニュ産の赤ワインソース
また付け合わせは、フランス産のレンズ豆、静岡県産のスティックセニュール、博多産の足長スギ岳、京都 樋口農園の蕪と多彩な品揃え
ソースの濃厚赤ワインのコクが口の赤にフワ ~~~ ッ広がり ・・・ 思わず白いご飯が欲しくなります ・・・
ソムリエのIさんに “白いご飯が欲いです” と言うと、
“それは日本人にとって最高の褒め言葉ですが 、流石にここで白いご飯を出す訳には行来ません ・・・
白いご飯を出しても、結局他の和食店に勝てる訳がありませんからね ” ・・・ そうなんですね ~~ カンテサンスともなれば、常にに勝負 を意識なさっているのですね ~~
デゼール一品目
柿と蜜柑 プールンソヴァージュ風味のサバイヨン
こちらは岐阜県産の富裕柿のマリネと 、ブランデーの香りです
濃厚ブランデーの風味がプ ~~~ ン ・・・ 甘 ~ く濃厚な大人の味わいです
コレ、かなりお気に入り
デゼール二品目
丹波産 和栗のガレット
こちらは丹波産の和栗のガレットに 、栗とマスカルポーネチーズのクリームを乗せたものです
気分が悪くなる位濃厚 ・・・ でも決して気分が悪くなる訳でもなく ・・・ それ位に濃厚な栗のガトーです
恐らく、今まで食べた栗ガトー中で、最も濃厚な一品かもしれません
コレ、最高にお気に入り
デゼール三品目
柔らかいキャラメルのギモーヴ
ちょっとここでトラブルが ・・・
実はこの柔らかいキャラメルのギモーヴ は、2008年に初カンテサンスで初めていただき、それ以来ず ~~~ っと大好きなデセールの1つでした
また私の食べ物何でもランキング ~ミシュランデザート~ でも、第2位に入っている絶品スイーツです
今回も勿論、この柔らかいキャラメルのギモーヴ をリクエストさせていただきました
ところがキャラメルのギモーヴ を出してくださった時、ソムリエのIさんが行き成り ・・・
“前の時は川手君が作っていますが、同じレシピであれば、誰が作っても同じです。
今回は岸田が作っています。
川手君だって、自分のレシピを人が作ったと言われればイヤですから ・・・”
それだけを言い残して向こうへ行ってしまいました。
エッ 何 何 何のこと ・・・ この人一体何を言っているの
お料理の説明は
私は全く訳の分からないまま、またまた不可解な気分でキャラメルのギモーヴ をいただくこととなってしまいました
これは後から知ったことなのですが ・・・ カンテサンスはプライベートブログなど、レストラン名やシェフ名でヒットするものを常にチェックし 、その内容が間違っていれば、顧客へ直接注意をすることもあるそうです
そしてどうやら、私の食べ物何でもランキング ~ミシュランデザート~ も、チェックされていたようでね ・・・
その中で ・・・
第3位が、フロリレージュのオムレットオショコラ
第2位が、カンテサンスの柔らかいキャラメルのギモーヴ
としていますが ・・・
“第2位のカンテサンスのキャラメルのギモーヴ は、当時カンテサンスのスーシェフ (No.2シェフ) であり、現在フロリレージュのシェフである川手シェフの担当だったそうで ・・・ つまり第2位、第3位共に、川手シェフが作ったデセールということになります”
と記述したことに、問題があったようです
つまり ・・・ “柔らかいキャラメルのギモーヴ は、川手シェフのものではなく、岸田シェフのものだ ” ・・・ という抗議をしたかったようです
初めに私の顔と名前と、しかもフロリレージュのファンという事まで把握していたことも、これで納得 ・・・ 事前に色々と調べられていたのですね ・・・
しかし私はカンテサンスのキャラメルのギモーヴ が、誰のレシピかということなどには全く触れていません
以前フロリレージュで、 “2008年にカンテサンスで食べたキャラメルのギモーヴ を、また作ってくださいよ” とお願したところ、
“それをすれば、カンテサンスのレシピをパクることになるので出来ません” とはっきり断られた位ですから ・・・
まあミシュラン三つ星ともなれば、我が身を守るため、あらゆる手段を駆使しなければならない事情は分かるのですが ・・・ しかしお料理を出すと同時に、行き成りの抗議は如何なものでしょう
先ずはブログの記述について、その経緯を確認することから始めるのが順番ではないのでしょうか
更にはそういう込み入ったお話は、食事中を避け、食事の前後で穏やかに話し合うのがプロのサービスではないのでしょうか
今回、折角3年振りに出会えたカンテサンスの柔らかいキャラメルのギモーヴ ですが ・・・ 残念なことに、殆ど楽しむことは出来ませんでした
ただそういう中でも ・・・
岸田シェフが作ったキャラメルのギモーヴ は、食べた後にキャラメルの優しい風味が口の中にフワ ~ ッと残る感じ ・・・
川手シャフが作ったキャラメルのギモーヴ は、柔らかい食感の中にも、キャラメルの甘くほろ苦さがしっかりと主張されている ・・・
といった微かな印象でした
この2つの印象の違いについてソムリエのIさんは、 “それは進化しているからですね” とコメント ・・・ “同じレシピであれば、誰が作っても同じです” とおっしゃた筈では ・・・
最後不可解な気分を抱えてしまい 、少々体調までも崩してしまいましたが ・・・ 帰り際、お見送りに出てくださった岸田シェフのお顔を拝見し、少し復帰気味です
レストランカンテサンス 岸田 周三シェフです
以前お会いした時より、随分大きくなられた感じ ・・・ ご本人は “太ったかな ” とおっしゃっていましたが ・・・
岸田シェフは、あれ程繊細なお料理をプロデュースなさっている人とは思えない程、見た目は完全な体育会系男子です
岸田シェフに “キャラメルのギモーヴ は如何でしたか ” と尋ねられ、
私は “とても優しい印象で、心が穏やかになりました ” と答えましたが ・・・
もしも今度キャラメルのギモーヴをいただく機会があれば、是非そうありたいものです
しかしミシュラン三つ星のメニューは 、流石に何れも素晴らし く、私の食の記憶に深く残るものばかりでした